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★猟奇の華咲く事件には、可憐な少女が良く似合う。今は無きHUMANから本格推理アドベンチャーとして1998年に発売されたのがこのゲーム『御神楽少女探偵団』である。プレイヤーは帝都の名探偵「御神楽時人」の助手、「鹿瀬巴」「桧垣千鶴」「久御山滋乃」を操り、猟奇殺人を解決しなければならない。 特に優れてると言えるのは概ね三点で、「斬新なシステム」、「プロットの上手さ」、「作りこみの細かさ」である。それでは順を追って解説していこう。 ★推理トリガー〜プレイヤーの新たな推理〜通常、推理物のADVといえば、「見る」「聞く」などのコマンド(命令)を選択していく形や、サウンドノベルや恋愛ADVなどでよく見られる、文章の形で選択肢が出る形のどちらかになるのが普通である。前者はいわゆるコマンド総当り式というヤツで、片っ端からコマンドを入れていけばいずれクリアが出来てしまう。後者の場合は選択肢が2択か3択程度になることがほとんどで、よりプレイヤーの意思が反映されにくい。 特にミステリという題材を扱う以上はプレイヤーに推理を行わせたいわけで、こうしたシステムではおのずと限界が出来てしまう。 そのため、この作品はあえて従来のシステムにはない独自のシステムを採用しているのだ。それが「推理トリガー」システム。 プレイヤーは人物の発言や、事物の描写などで注目したい箇所で「推理トリガー」を引くことが出来る。回数はシーンごとに一定数しか使えなく、無駄撃ちしているとあっという間にゲームオーバーになってしまう。そのため、プレイヤーには提示される情報の取捨選択を熟考する必要が出てくるのだ。 情報はただむやみに集めるだけでなく、真に必要な情報だけを抽出しなければならない。これほど推理と洞察力が試されるシステムは、おそらく史上初であろう。 ★緻密なシナリオどんなにすばらしいシステムを使ってようとシナリオがお粗末では話にならないというものだ。だが、その点、『御神楽〜』は十分に及第点を満たしている。大正時代の帝都、東京を舞台に奇怪な殺人事件を追う、御神楽探偵事務所の面々。それぞれのキャラクターに個性があり、シナリオの一つ一つも伏線が積み上げられていく過程がとてもよく作りこまれている。 世界観としては江戸川乱歩の作品をかなり意識している。華族の屋敷を舞台に連続殺人が起こる「幽鬼郎」、オペラ館に謎の怪人メフィストフェレスが現れる「太白星」、新潟の富豪の屋敷にて血の因縁が引きおこす連続殺人「夢男」、死んだはずの夢男が蘇る「蘇る夢男」。どれもボリューム満点でやり応え抜群である。 ★豪華すぎるオマケ実はこのゲームは四枚組みのCDのうち、二枚が本編で、のこりはおまけディスクである。だが、おまけといても、そのボリュームは半端ではない。 おまけのうち1枚目はインターミッションディスク。これは探偵の休日を描いた外伝的作品で、一日を二人のキャラクターのうちどちらかを選んで進めていくものだ。特定の人物にあうと、その人物の会話に対して、喜び、普通、不満の三段階の表情を選んで回答しなければならない。会話の結果により好感度が上昇し、エンディングの分岐に影響を与える。そして、必ず、インターミッションの最後にはミニゲームが用意されている。これの成否もエンディングの分岐条件である。 エンディングは各キャラそれぞれ5〜7通りで、シナリオが計12個。ひとつひとつのシナリオは本編に比べれば短いものだが、ここまで数が多いとこれだけでちょっとしたゲームが成り立ってしまいそうだ。 また、このモードではこれまでに解決した事件の登場人物と会話することが出来、これ自体が後日談の意味合いも兼ねている。刑務所で捕まえた犯人に面会するなどということさえ可能だ。 2枚目はムービーディスクで、これまでに見たアニメーションムービーと設定資料集を見ることが出来る。アニメーションの長さは全編30分近くに及ぶ。このディスクがあればわざわざゲームをやり直さなくても自在に楽しめるというわけだ。 ★進化〜続・御神楽少女探偵団このゲームの最大の欠点は、おそらく一作で完結していないところだろう。それももっとも良いシーンで次作に続いてしまっているのだ。当時はこの仕打ちに涙したファンも多かったようだが、無事に翌年『続・御神楽少女探偵団〜完結編〜』として続編が発売された。基本的なシステム周りは変化していないが、シナリオのボリュームが格段に増えた(今回はCD4枚フルに本編)だけでなく、解決編では選択肢を選ぶことで自分の推理を披露することができるようになった。 ★最後にこれほどシステムとシナリオ、キャラクターが洗練されたゲームはADV界において数少なかった。どこまでも丁寧な作りで、ユーザーを満足させることを追求した姿勢は本当に頭が下がる。これぞ推理ゲームの金字塔といってしまっても良いのではないか。そう思わせてくれるほどにやりがいのあるゲームである。 |
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★解説:同人製作の弾幕シューティングゲーム(以下弾幕STG)。弾幕STGが通常のSTGとどう違うのかといえば、無数に散らばる敵弾をかわすことがメインとなるSTGで、開発者のZUN氏によれば、「STGとは異なる1ジャンル」であり「形状化されたパーティクルや弾避けのゲーム性を楽しむジャンル」とのこと。 東方妖々夢は東方シリーズにおいては二作目に当たる(もっとも、これ以前にも東方の名を冠する作品があるが、ここではオフィシャルページに従った)が、ストーリーの直接のつながりはほとんどなく、前作で敵ボスの一人であった十六夜咲夜がプレイヤーキャラの一人となっているくらい。 操作方法は、基本的に自機(プレイヤーキャラ)の移動とショットとボムと高速移動・低速移動の使い分けくらい。やや特殊なのは高速時と低速時にはショットとボムの種類がそれぞれ変わること。あとは敵弾を食らっても、ボムが残っている状態であれば数フレームの間にボムボタンを押すと、ボムが作動して、敵弾が食らわなかったことに出来る「食らいボム」の仕様。 プレイヤーキャラは、ショットのバランスに長けた、一見能天気で修行不足の巫女さん「博麗 霊夢(はくれいれいむ)」。前方ショットに命を賭ける、「〜〜だぜ」が口癖の魔法使い「霧雨魔理沙」。広範囲をカバーするショットで、ナイフが武器の瀟洒なメイド「十六夜咲夜」の三人。 ★感想:とにもかくにもゲームとしてのバランス、トータルの完成度が高い作品。特に弾幕の美しさ、音楽、キャラの設定、STGとしてのテンポが見事なまでに噛み合っているのには大人数で作るコンシューマーゲームにない強みがある。ひとえに製作者ZUN氏の作家性によるものだろう。 オフィシャルページや二次創作などで、かわいらしいキャラクターが目立つが、あくまでゲームとしての完成度に裏打ちされたキャラ人気であり、ユーザーに媚びるところがなくて良い。ボス前に入るキャラ同士の掛け合いは丁々発止としながらも、セリフの裏読みや行間を読むことが出来ておもしろい。いわゆる「萌え」要素というのはテクストとしてのゲーム本編には介在してないように感ずる。 あえて、セリフを謎めいたやり取りにしたり、キャラよりもSTGとしての画面演出を見せることで、プレイヤーにキャラの個性を想像(妄想)させているのではないだろうか。 また演出という意味では音楽の貢献度が非常に高いといえるだろう。音楽だけ聞いても、まさにZUN流というべき、他に真似できない独創的な楽曲なのだが、さらにゲームの盛り上がりかた、ステージの演出、ボスの演出などと非常に上手くリンクしているため、統一感が高く、相互作用で演出を引き立てている。 また、いかんせん弾幕STG等と聞いて初心者にはとっつきにくいジャンルと思われるであろうが、難易度や自機の選択で初心者でもステップアップして楽しめる。むしろ、初心者が徐々に弾幕STGの楽しみを知っていく過程こそがこのゲームの売りなのかもしれない。 プレイングの幅も広く、世界観の構築も見事。末永く楽しめるゲーム。「所詮同人ゲームだし」、「自分はシューティングはヘタだから」といったような偏見にとらわれずに是非一度トライしてもらいたい作品。 |
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★感想: 知る人ぞ知るマイナーゲーム。リアルタイムで進行するサスペンスストーリー、フルポリゴンで描かれた街、それぞれの生活リズムに沿って行動する街の住人たちと独創性は非常に高い。また、アメリカの田舎町(ミザーナフォールズは架空の町であるが、コロラド州、ロッキー山脈の麓にあると言う設定)を意識して作られており、雰囲気が良く出ている。住民の愛車などからもスタッフのこだわりが見られる。同社のクロックタワーシリーズ同様、映画を意識したカメラワーク、舞台配置。 シナリオはありがちではあるが、複数のストーリーラインが同時進行するといった、海外ミステリばりのストーリー。欠点はグラフィックが極端に粗悪であること。最低でもPS2のテクスチャ補間機能をONにしてやることを勧める。(もっとも、そうするとドット絵の顔グラフィックがぼやけるが)。サウンドも決して良くはない。劇中に挿入されるボーカル曲にいたっては音が割れて聞こえる。頭を使って、次に行く場所を推理しなくてはいけないためゲーム性はある程度高いといっていいだろう。またシナリオ上、ミニゲームをクリアしないと進めないところがあるが一部のもの以外は難しすぎる。根気があり、ポリゴン欠けなど物ともしない人にとっては十分楽しめる。私は大好きなのであるが、おおっぴらにはお勧めはできない。 以前掲載していた、レビュー長文verはコチラ |
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★感想: オフィシャルなジャンル分類では恋愛AVGだが、恋愛要素もあるAVGと言ったほうがいいかもしれない。一応、前作Never7もプレイ済みだが、そちらが恋愛色が強かったのと比べ、ミステリアスなストーリーがメインになってる感があり、普段ギャルゲー(恋愛AVG、恋愛SLG)をやらない私でものめりこんでプレイできた。ゲーム自体はギャルゲーをフォーマットにしており、途中に選択肢がでてきてその結果によりエンディングが変わると言うもの。 ストーリーは、海底に浮かぶテーマパークに閉じ込められた男女が、危機を乗り越えて脱出を図るという感じだが、脱出のために焦るというような心情描写というのはあまりなく、むしろ見るべきはキャラクタが抱えている秘密や、一つのエンディングを見ただけでは解決しない謎の方にある。その謎と言うのがミステリファンにとっては自分の土俵といわんばかりの謎で、私は非常に楽しめた。ただ、完全にミステリと同じ目で見るといろいろアラが見えたり、理解しがたい部分もありますが、その辺は見逃してあげましょう。とにもかくにも謎ありきですが、ストーリーの規模は壮大で、キャラクターがよく生きていると思います。もっともリアリティと言われると、強烈な電波キャラのため、理解しがたいとこも。絵はきれいな方だとは思うが、さほどおもしろい演出があったわけではない。サウンドは凝ってはいないが素朴で好印象。ゲーム性はほとんどないと言って良い。ギャルゲーベースな以上しょうがないとは思うがやはり少し残念。 この謎(というか仕掛け)は普段ミステリを読まない人がやると非常に驚くだろう。またミステリは好きだけどギャルゲーはやらないと言う人は、ギャルゲーもここまでやってくれるのかと(もしかしたら)思えるのではないだろうか。製作元のKIDさんは他にも、ストーリーに一工夫ある作品が何作かある。この作品がおもしろいと感じたらそちらもやってみると良いかも。この仕掛けは予想してなく「騙されたー」と思わず感じた。 |
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★感想: あったようでなかった和風ホラーゲーム。題材は実にストライク。ホラー映画は海外のものよりも日本のものの方が怖い気がするのは私だけではないはず。操作感はバイオハザードなどと同様だが、すばらしいのがファインダーモード。戦闘と怪しいところを調べることの両方に、カメラで写真を撮ると言う行動が共通しているのが見事。しかもファインダーを覗くという行為は独特の恐怖がある。視界が制限されるのはもとよりどこか別の世界を眺めているような気にさせてくれる。このゲームにいたっては「本当に」変なものが見えてしまうのだからたまらない。実際、悪霊を攻撃する際には、ぎりぎりまで引き付けて攻撃の瞬間を取らないと強いダメージを与えられない。しかし結局のところ、その瞬間が一番怖い瞬間ということだ。また、アルバムモードというのがタイトル画面から見れるのだが、こちらではゲーム中で撮った写真を保存していつでも見れるようにしてある。どんなところでも写せるので、まさに本物のカメラのような使い方もできるというわけだ。 舞台である皆神村や、その中の屋敷も本当に良く出来ている。暗がりからいかにも何か出てきそうだ…… と思っていたら本当に出てくるのがこのゲーム。惜しむらくはストーリーがいまいちわかりづらいことや、全体的に辻褄合わせのように見えること。サウンドもノイズっぽい音や何かが囁く音など恐怖感をいちいち盛り上げてくれる。ゲーム性、独創性も完成度の高さから言って十分水準以上。熱中度はホラー好きかによるかな。個人的にはホラーゲームではNo.1と言って良い。 |
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